†連†

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  †聖域† ―聖殿― 現聖主の直系と 聖主の許しがある者しか 住まう事も 立ち入る事もできない 神聖な場所。 そこに 四位、改めユセルの屋敷から まだ、 微熱が治まっていないロアは クロアとフィリルを連れ 療養の為に帰って来ていた。 そんな状況の中、 聖殿内にある 沐浴の場でクロアは一人、 薄い白の長衣を纏い 静かに禊を続けていた。 白石で造られた広い静謐な空間。 その中央を広く掘り下げ 造られた沐槽。 深さは 沐槽の中央に瞑想して佇む クロアの腰位置あたり。 清らかに澄んだ冷水が満たされ 白い睡蓮の華が 幾つか浮かび飾られている光景。 ピシャン―― と、水滴が水面を叩く音が 空気を揺らす程の静寂。 その音に導かれる様に ゆっくりと瞼を開けるクロア。  
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