†連†

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  本来ならば 寝ていなくてはならない体。 しかし、 眠れずに起き上がり、 一人で考え続けるのは、 クロアがユセルの“命”を 絶った時の事。 脳裏に焼き付くクロアの姿。 自分の代わりとなって 鮮血に身を穢したクロア。 本当ならば、 あの時、 あの瞬間、 クロアはユセルの命を絶つ 必要が無かった。 しかし、 ユセルの命を 絶たなくては成らない 必要もあった。 相反する状況を 産み出さなくては成らない 実情が存在したあの場。 全ては たった一つが原因。 ―次期聖主様は“セフィロトの…” “セフィロトの苗木” それをあの場で 口にしてしまった為に ユセルはクロアの手によって “命”を絶たれなくては 成らなかった。 ロアは両膝を抱えて座る体を より小さく蹲ませる。 そうして深く俯き、 「…ッ!!」 圧し殺した苦痛の声を抑え込む。  
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