†連†

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  「ッ!!…ロア?」 触れた途端にクロアは気付く。 「お前、震えて…?」 「黙れッ!!」 クロアの声を遮るロアの鋭い声。 微かにだが、はっきりと伝わる ロアの両手の震え。 それは…。 「私の為に穢れた手だッ!!」 必死に振り絞るような響きを 宿す言葉。 「私を護る為に血に染まった手だ…ッ。」 今にも震えそうな声を 奮い立たせ、 「私を…“愛する者の手だッ!!”」 泣き叫ぶように告げる宣言。 激しい慟哭ゆえの震え。 ただ、静かに―。 ただ、淡々と―。 告げるだけの激しい嘆き。 ロアが涙を流して泣く事はない。 絶対に涙だけは流せないロア。 その代わりに全身で嘆き        ムセ ナ 悲しみ、叫び、噎び嘆く。 「私はお前を“赦さないッ!!”」 クロアの 言葉に出せない願いを察し 叶えるような言葉。  
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