†連†

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  「事実です。」 所有については 素直に認めるロア。 「何故だ?」 本来ならば、 個が所有すべきではない物。 それを ロアが持っていると言う答えは 「私が所有者だからです。」 あまりにも 明瞭で最も的すぎた。 “持ち主ゆえに持っている。” その、 ロアらしくない、 単純で正当すぎる理由に 「次期。」 不審を込めてディフェルが 問い詰めの声を掛けると、 「私の“姿”を見ても納得できませんか?」 柔らかな冷笑で告げる一言。 「「「ッ!!」」」 その言葉にディフェル達は 一つの事を思い出し、 息を呑んだ。 “ロアの姿。” それは、 “聖銀、 もしくは銀月の髪に 白月のような瞳を持つ神族が 産まれると、 この聖界に 必ず魔王自らが現れる” と云う、産まれながらにして “魔王進現の言葉”を 持つ者の姿。 更に付け加えるならば、 ロアは “力が制御できずに使えない” と、言う、 “魔王”に対抗するには 致命的な現実を抱えていた。  
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