†連†

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  ロアは “力”が無い訳ではない。 ただ、下手をすれば 自身すらも滅ぼしてしまう程の “力”を持ってしまっており、 自分の意思では 制御が出来なかった。 故に ロア自身に施されている 封印が解かれれば “力”は “使う”ではなく “暴走”として現れる。 現に 三年前に一度だけ “魔族”を滅ぼす事に ロアの“力”は 一応、使われた。 ただし、 それは意としてではなく、 “暴走”に近い状況で使われ、 結果として、 当時、 ロアが“力”を使った場所、 最下層“禁域”“境界区”は 半分が更地になって消失した。 それほどの“力”を いくら“魔王”から 身を護る為とは言え 迂闊に使う事はできない。 そのため、 “力”の使えないロア 「お前の身を護る為か…?」 ディフェルの低い呟きに ロアはただ、 冷たく微笑むだけだった。  
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