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誰のモノなのか分からないほど
殺伐とした雰囲気が
その場に拡がる。
ディフェルが、
レティスが、
フィリルが……
そして、クロアが、
視線だけで
自身と相手の位置を確認し
間合いと始めの動きを謀る―。
そんな、
一触即発にも近い状況で
父、聖主を背後に立たせ
一人、平然とするロアの
澄んだ笑い声だけが
クスクスと静かに響いた。
そして―
「“決して、口外しない。”と、命に賭けて“私”と“父上”に誓約して下さい…。」
“二の舞はお嫌でしょう?”
と、言葉に出さない警告を含む
愉しそうなロアの綺麗な笑顔が
ディフェル達に向けられたのだ。
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