†連†

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  言葉に出さないだけの 明らかな脅迫に 「ッ!!」 ディフェルの 悔し気な声が上がる。 「ならば、誓約はしてやる。その代わりに条件を付けさせろ。」 強制させられる “命掛け”の誓約に 抗うようなディフェルの言葉。 ロアは少しだけ、小首を傾げ 考える仕草をみせると、 「何ですか?」 ディフェルの云う “条件”の内容を問い掛けた。 「苗木を持つお前を中央で“監視”させろ。」 「………………………。」 “監視” その言葉にロアの笑顔が消える。 ただ、冷たく無言で ディフェルを 見据えるだけのロア。 だが、 ディフェルは そんなロアの様子に構わず、 「どう考えても“セフィロトの苗木”と云う物は個人が持つには危険な物だ。」 世界を産み出す事さえ出来る まさに万能の道具。 “セフィロトの苗木” 「“苗木”を持った状態で、お前に何かが起きてみろ。」 ユセル、一人を救う為だけに 拐われる事ですら 平然と選択するロアの行動。 「本来ならば、この“聖殿”から絶対に出るなと言いたいところだが…。」 ロアを見るディフェルの視線に 剣呑な光が宿る。  
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