†連†

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  “セフィロトの苗木”と云う 存在の判明。 そして、新たに ロアへ課せられた制限。 それらの話し合いが 殺伐とした中で終り、 クロアとフィリルに ディフェルとレティスを 聖殿の外まで 見送りに行かせた室内。 ロアと聖主は二人切りに成ると、 「………満足か?」 剣呑な声色で息子、ロアに 呟く聖主。 ロアは自身が座っていた 数人掛けのソファーへ 深く凭れ直すと、 「………父上こそ、良かったではありませんか?“私の監視”が付けられて…?」 嘲笑混じりの言葉を返す。 親子でありながら、 常に互いの意図を探り合う会話。 「貴方も私も兄君達も…」 ふっとソファーの背凭れの方、 背後へと振り向き、 「クロアやフィリルも…」 父、聖主を見上げ、 昔の頃の仕草で小首を傾げると、 「“全員が茶番”なんですから…ね?」 美しく嘲笑うロア。 「…………………。」 そんな息子の姿を 無言で見下ろす聖主。 ロアは 「また…“遊んでくださいね”?」 “遊び”と口にする割には あまりに冷たい声と眼差しで 自らが“茶番”と言った 先程の話し合いを父、聖主に 淡々と当て付けた。  
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