†連†

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  ロアの指示により、 ディフェルとレティスを 聖殿の外まで見送りに行った クロアとフィリル。 見送りを終え、 聖殿のロアの居室に戻る途中で フィリルは、 「お前、俺の監視をロア様に指示されてた?」 クロアに、 ぽつりと切り出した。 それに対し、 「何の事ですか?」 柔らかな口調で答えるクロア。 「いや………まぁ……うん。」 要領を得ない声を上げる フィリル。 『受けた命は許しがない限り、口にしないよなぁ…。』 内心でそんな事を思いながら、 「ロア様ってさぁ…。」 聖殿から見える、 聖域の景色を見詰め、 「何であんなにお優しいんだろうなぁ…。」 『俺が“噂の真相”に近付かないよう…クロアに命じてたみたいだし…。』 フィリルは “苗木”への問いを以前、 誤魔化してくれたクロアの事と 先程の事を思い出しながら 声と内心で呟く。 クロアからの応えを 期待していない独白。  
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