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一方、ロアは、
「……………………。」
クロアの腕の中で、
敢えて何も考えず、
中央の中で広がる状況を見据え、
「クロア…」
ぽつりとクロアの耳許で囁く。
「苗木の事を“この聖界で知る者”は四人だ。」
まるで恋人に甘えるような姿で
「では…“聖界”以外では?」
「……………………。」
問い掛けるロアに無言のクロア。
しかし、
そんなクロアにロアは構わず
「全てに警戒しろ…。」
淡々と
「“五人目”の知る者が近く何処かではっきり動くぞ。」
密やかに告げる。
「覚悟を決めておけ。」
“命”ではなく
“絆”の確認。
それに対しての
クロアの応えは…。
「我が主の御心のままに…。」
決意を既に決めている者の声で
「必ずや従います。」
一つの意志を告げた。
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