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穏やかな日射しの午後。
荘厳な造りの神殿の
本殿から内殿に続く
広い渡り廊下で、
二人居る聖司補佐官の一人。
ゴールドブラウンの軽い癖毛に
薄い琥珀の瞳の青年。
“フィリル・N・リレリア”は、
漸く、目的の相手を見付け、
「あッ!!いたいた。クロア」
どこか軽薄で甘い容姿に合った
軽く呑気な口調で
相手の名を呼び引き止めた。
「何かありましたか?」
これから
主の居る聖司官執務室に
向かう途中だった、もう一人の
聖司補佐官
深藍の髪と瞳に長身で
夜の澄んだを空気を感じさせる
涼やかな容姿の青年。
“クロア・K・キセア”は、
幾つかの資料を片手に抱え、
唯一の同僚で、年上の
フィリルの声に応じ
脚を止め立ち止まる。
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