†始†

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  「お怪我はッ!?」 「無い。ロアが刺客に気付き庇った、故に無事だ」 冷静に応えられた内容に セキルもフィリルも 思わず凍り付く。 「あ…兄上は…?」 「無事だ。安心しなさい」 下手をすれば 息すらしていない様にも 見えてしまうロアの様子に セキルの声が震えるが、 聖主の一言に 安堵の溜め息を付く。 「………どの様な状況だったか聞いても良いですか?」 襲撃の場に居なかったセキル。 その時の説明を求める言葉に 聖主が応じ説明をすると、 「それは……“父上”ではなく“兄上”を狙ったのではありませんか、」 険しい眼差しで聖主、 父を見詰め、 はっきりと言い切った。  
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