0人が本棚に入れています
本棚に追加
結局何をしたって賛否両論
否定されるし賛成される
自分のしたいようにすることに
対しては特にその力を発揮
さらに否定される事柄に対しては
焼野原に残った一本の大木のように
見事に強く心に根付く
「ちょっと痛いけど我慢してね」
なんとか目を逸らそうとしても
忘れかけた頃に
「ごめんごめん。戻ってきちゃった。だってここなら目立てるし、居心地いいし?」
と さらにパワーアップして
満面の笑みで帰ってくる
背負い投げでぶっとばして
一喝気持ちよく「ざまあみろ」
と吐き捨てながら
一本とってやりたくても
蟻が像を持ち上げるみたいに
不可能極まりなく
彼が自力で動くのを待つのみ
まあそれも
動いたと思ったらフェイントで
舌をペロリと出して
「ただいま☆」
なんて言っちゃうんだ
だから僕は手を差し伸べてみた
「うまくいかないと分かっていても、どうやら君とは付き合っていかなきゃいけないらしい」
苦笑い
あわよくば一発殴らせろ と
差し伸べた手だが
彼は
「いいよ。一発殴らせてあげる」
そう差し伸べた僕の手を
挑発的に掴むから
甘んじて
思いっきり殴ってやったんだ
そしたらなぜか
僕も痛くて
なんか胸の真ん中らへんと
呼吸器官が重たくなって
なんでだよっっ
って叫んだ僕に彼は手を差し伸べこう言ったんだ
「僕は君の一部だから。だって否定されたことから目を背けられないんだろ?それってどこかで僕を理解してるからなんだって、いい加減気付きなよ」
…ああ
どうやら本当に
僕はこいつとうまくやっていかなきゃいけないらしい
たとえどんなに合わなくても
たとえどんなになじりたくっても
僕は僕の心を突き刺す現実を
受け入れて 進まなきゃいけないらしい
最初のコメントを投稿しよう!