16人が本棚に入れています
本棚に追加
分身
何度も間違えられるほど、二人は似ていた。
両親や親せきまでもが間違えてしまうほどに、二人は似すぎていた。
だって、二人は双子だったから。
けれど、二人は珍しい男女の双子だった。
姉の真宮魅波(まのみや みなみ)と弟の真宮美音(みおと)。
元気で明るい魅波に、少々気の弱い美音。
周囲からは仲の良い瓜二つの姉弟だと人気だった。
周囲が噂するように、二人は仲が良かった。
いつもどこへ行くのも一緒で、手をつないで離さなかった。
けれど、魅波は美音が嫌いだった。
大好きだけれど、嫌いだった。
彼は、いつも可愛いともてはやされるから。
最初のコメントを投稿しよう!