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同じ日に同じ人から生を受け、同じ家に住み同じ顔をもち、同じ血をもち同じ姿をしているのに、自分はいつも美音の影。
だから、美音が嫌いだった。
けれど、大好きだった。
彼が、姉を大好きだったから。
両親に怒られて部屋にこもっていると、美音も一緒に部屋にこもって、傍に居てくれた。
「魅波は悪くないよ。僕が悪いんだ。僕が……男らしくないから……だから、魅波が怒られる。僕が悪いんだ……」
手を握って、やさしく言ってくれる。
そんな彼が好きで、申し訳なくて、嫌いだった。
好きだけれど、良い子ぶっている、と嫌な自分が顔を出した。
そんな自分が大嫌いだった。
「どうして顔も姿も一緒なのに、こうも性格は違うんだろう」
小学五年生の頃、二人で授業をサボって、魅波がそう口にした。
その横で、美音は苦笑していた。
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