君がいる世界

2/22
前へ
/30ページ
次へ
「ん、」 低く唸った声が、やけにリアルに自分の耳に届いた。 ぴくぴくと痙攣する様に、右手が動く。 ーーーー生き、てる? 予想していた衝撃も、体を襲うであろう痛みも、何も感じない。 それとももう、ココは天国? 死後の世界なんて考えた事もなかったけど、そうでもなければ自分に意識があるのは可笑しい。 あの高さから、まっ逆さまに落ちたのだから。 段々と鮮明になってくる思考に、そっと目を開けた。 するとドアップで映し出された、見知らぬ男の子の顔。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加