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ギィ、ギィーーー
打ち寄せる波に、揺れながら軋む船。
金で出来た動物の置物や、銀の燭台。
無造作に置かれた宝の数々に取り囲まれる様に、赤いバンダナを巻いたデカイ図体の男が、小さく座っている。
「ジゼル姐貴ーっ!火がつきやせんぜ!」
「何処までどんくせェんだ、お前は。コレでも使いな」
泣きそうな男の声に答えたのは、長い髪を頭のてっぺんで1つに結び、グリフォンの刺繍が入った着流しに、ズボン。
キリッとした深緑の瞳をもった女性。
暖炉の前で、なすすべがないとでも言いた気な男に、ヒュッとある物を投げた。
「火の魔鉱石だ。いくらテメェでも、術くらい使えんだろ」
「そりゃあ、そうですよ!」
投げられた物を落としそうになりながらも受け取って、ニンマリと男が笑う。
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