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ーー某国。
そこは戦場だった。
希望より絶望の比率が極めて高く、他者を蹂躙する事に悦を覚える感性がなければ正気でなど居られない、歪な世界だ。
事実、それが出来ない人間たちは、この国を去って行った。
この国には、もはや政府もなければ法もない。
あらゆる無法も、裁く者が居ないが故に認められる。
常に紛争状態にあり、他者への蹂躙も当たり前に行なわれるが故に、この国ではどのような事が起きようと「現実離れしている」などとは誰も口にしない。
ーーだが、何事にも例外は存在する。
今ここで、それを何名もが口にしようとしていたのだから。
「こんなの・・・現実離れ”し過ぎている”」
さっきまで元気だった人間が、次の瞬間には既に人間としての原型を留めぬ焦げカスになっている事すら日常として許容される世界。
物心付いた瞬間から共に過ごした親友に、後ろから撃たれる事があっても誰一人驚かない。
そんな世界で、それを日常としている者達が現実を認められない事象が起きている。
たった八人の少年少女がその事象の中心であるなどと、これまた常軌を逸している。
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