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「なんでも人が行方不明らしい」
「それなら警察が動くのでは?」
「普通はな」
家を出て命はため息をつく。
冷たい風が二人に突き刺さる。
喋る度にでる白い息が直ぐに行けていく。
直ぐに駅に向かおうとする命を制し竜也は命の手を引いた。
命は眉をよせたが大人しくついていく。
「ただ、今回の依頼者は娘が拐われたんだが、見たんだそうだ」
「拐った犯人を?」
命は頷く。
「異常なほどに大きな、猿だったそうだ」
普通の猿の二倍の大きさで普通の猿よりも力は巨大。
「そんなものを見て警察には頼らんだろう」
なにか妖怪の仕業なのか?
そこで巫女の家系として妖怪関係で知られている時家に依頼をしたという訳だ。
暫く歩くと一台の黒い車が止まっていた。
それをみて命は呆れたように竜也を見る。
「わざわざ送り迎えをすると?」
「ボディーガードですので」
竜也はにこりと笑うとドアを開け中に入るよう促す。
命はため息をつき大人しく車の中に入った。
命が座ったのを確認しドアを閉め竜也は運転席に座ると車を発信させた。
「目的地はどちらですか?」
「○○村だ」
「山奥ですね」
「まぁ、猿がでるぐらいだからな」
流れる景色を眺めながら命は肩をすくめた。
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