一話:風花の舞う日に

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「ええ。今回の怪異の正体は寂しがりやの猫叉が起こしたもの…ですよね?」 「ああ」 その通りだ。と命は頷いた。 寂しさのあまりに人を拐ったのならはなしは簡単だ。 寂しくならないようにすればいい。 だから命は村にその事を話し猫叉と共存するようにしたのだ。 猫叉は力があるので多少の妖怪ならば退けてくれる。 それに普段は普通の猫サイズなので問題ない。と考えたのだ。 「まぁ猫叉が狂暴な性格なら退治するしかなかったが」 「おとなしい、人懐っこい性格でよかったです」 「ああ……ん」 命の鼻を何かがかすった。 気になり上を見上げると雪が降っていた。 「さっきまでは止んでいたのにな」 朝積もった雪は太陽の熱で溶け水溜まりとなっている。 その上に白い花が降り注ぐ。 「そういえば…竜也と出会った時も雪が降っていたな」 「はい。二週間前の頃に出会ったばかりでございます」 そう。 命と竜也は十二月の雪の降る日に出会った。 そしてそこからまだ二週間しかたっていない。 「そうだな…まったくそんな気はしないが」 肩をすくめ命は漸くついた車に乗った。 命が車に乗ったのを確認し竜也は運転席に乗ると車を発進させた。 景色が流れるように見える。
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