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「そう思ったとしても本人の前で言うではない」
「それはそれは、申し訳ありません」
申し訳ありません、と言いながらも全然そのようには見えない。
「まぁ、お前がどう思おうがこれは既に決まったこと。今更止めにするとは言えまいて…お主とて、このまま帰る訳にはいかんのだろう?」
急に話を振られた竜也はニコリとほほえみ頷いた。
「はい。僕は本日より命様の護衛役ですので。命様がなんと言われようと、何を思われようと。命様が強いのだとしても危険なのは変わりませんから」
「昔からお前は魔物などに狙われている。巫女だからな。強いといっても絶対に死なない。とは限らないだろう?」
それをきき命は不機嫌そうに鼻で笑う。
「ふん…私は認めない。そんなに私のボディーガードがやりたいのなら私にそれを認めさせろ」
そう言い捨て命は部屋から出ていった。
それを見て偲はため息をつく。
「すまんな」
「いえ…しかしなぜあそこまで命様はボディーガードを必要としないのですか?」
たとえ自分の腕に自信があってもボディーガードがいれば少なくとも今よりかは安全だろうに。
「…いろいろ、複雑なんだよ」
「そうですか」
あまり検索しないほうがよさそうだ。
そう思い竜也はそれ以上は聞こうとしなかった。
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