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「渡成」
「はい」
「命を頼む」
「……はい」
竜也は頷くと命の部屋に向かった。
◆ ◆ ◆
「……なんなんだ。お前は」
口元をピクピクしながら命は竜也を睨み付けた。
それを竜也は涼しい顔で受け流している。
「なんなんだ、とおっしゃいますと?」
「なぜ!お前は私の後ろをついて回る!」
「ボディーガードですので」
「私は認めた覚えはない!!」
肩で息をしながら命は怒鳴る。
「命様、声が掠れています。とりあえず水をどうぞ」
「ありがとう」
竜也から水を受けとるとごくごくと一気にコップ半分ぐらいまで飲んだ。
「…て、違う!私はお前をボディーガードとして認めてない!帰れっ」
「しかし、私を認めさせろとおしゃったではありませんか。ボディーガードとしての役割をこなさなければ認めさせることは出来ません」
「ぐっ…」
たしかに自分はそう言った。
だがこうも後ろをついて来られたら気になって仕方ない。
「~~っ、もういい!」
命はいろいろ怒鳴り散らしたいのを堪えずんずんと歩き出した。
「そう言えば、先ほどからどちらに向かわれているのですか?」
「依頼者の家だ」
「依頼者、ですか」
「ああ」
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