『幸せの対価』

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* 授業の終わりを示すチャイムが鳴った。 「起立、礼――」 みんな割と適当に頭を下げて休憩に入る、いつも通りの光景。 でもひとつだけ、いつも通りじゃないことがあった。 「真里ー、ちょっと来い」 先生に呼び出されたのは、万年成績1位の真里だった。 元気なさそうに俯いて、涙をこらえているように見えた。 「ねえ、真里どうしたのかな?」 ―――そうは言ったが、本当は私は理由を知っている。 ネックレスの力を使ったのだ。 今度の願いは、『真里と成績を交換したい』。 「なんか成績いっつも1位なのにいきなり20位くらいになったらしいじゃん? だから先生心配してるんじゃない?」 …… ……… …………
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