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「ご、ごめん…」
そんな願いは、いとも簡単に打ち砕かれた。
パキン。と心のどこかにヒビが入った気が、した。
「あのさ、白崎さんのことさ、好きだったんだけどオレ…
もう好きじゃないんだ。」
「え、なんで…」
ショックのせいか、かくばった笑顔は変わらない。
「だって2週間しか経ってないのに変わりすぎじゃん?白崎さん。
細くなりすぎて怖いし、勉強の成績いきなり上がったのもカンニングしたからなんだろ?」
敬介君の言葉がぐさり、ぐさりと刺さってくる。
「金だって援交していきなり金持ちになったって聞いた。
短期間で変わりすぎて…
正直、気持ち悪い 」
―――気持ち、悪い?私が?
「じゃあごめん、オレ、関口さんにも呼ばれてるから…
…あ、来た来た!」
関口 空(そら)が校庭裏にくると、敬介君は私が今まで見たことないくらいに嬉しそうな顔をして走り去ってしまった。
そして空ちゃんと抱き合った。
その動きがスローモーションに感じられて、私の中の時は完全にストップした。
空ちゃんは
―――――私の親友のひとりだった。
「……嘘…………………こんなの、嘘っ!!」
もう、この場所にいたくなくて走った。
どこに行くあてもなく、走った―――。
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