『幸せの対価』

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ザアアァァァァ… 気がつくと、浜辺に来ていた。 …ああ、そっか。 最近は来てなかったけど、落ち込んだ時によくここに来たっけ。 「――――関口…空」 許せない、許せない、許せない。 2人だけ幸せになるなんて、私の方がずっとずっと好きだったのに。 涙はでなかった。憎しみだけが、あふれ返った。 友達だと思ってたのに。 『司ちゃんと敬介君のこと、応援してるね』 って言ってたのはウソで、裏切ったの? 「私の方が細いしカワイイし、お金持ちだし脚もきれいだし勉強もスポーツもできるのになんで! なんであんな地味な奴に…!!」 叫びすぎて喉がかれかけた頃。 ザブウウゥゥゥン… 全てを飲みこんでしまいそうな波を見て、 思いついてしまった。 気づいてしまった。 「…そうだ…私にはこれがある…! あの頃の弱くて何もできない私じゃない。 ネックレスが、あるじゃない…!」 笑いが、込み上げた。 私の願いは、ただ、ひとつ。
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