『幸せの対価』

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* 「ねーねー玲奈ぁ、何であの子に例のアレ渡したの?」 カフェの落ちついた雰囲気に合わない元気っぷりでセイシルが問いかけてくる。 一緒にいて恥ずかしいので静かにしてほしい。 (ちなみに一人称は「ぼく」だが、一応メスらしい) 「何でって…あの子から強い波動を感じたからよ。」 「ふーん。ぼくもあの子と遊びたーい」 「ダーメ」 するとぷくっと頬をふくらませるセイシル。 「むむぅ…魔女のくせにナマイキ!」 「職業の安定しない死神に言われたくないわ」 「年増」 なん…って言った?この子。 「あのねぇ、私まだ1024歳なのだけれど」 「年増じゃん」 「じゃあセイシルは何歳なの」「ん―――…」 首を左、右とかしげ、ついに思い出したのかポンッと手をたたいた。 「忘れた!!!」 「……………」 もう話にならない。ほっておこう。 ズズ、とダージリンの紅茶を一口すすり、窓の外を見やった。 そして―――回想にふけった。
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