『幸せの対価』

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――――玲奈、玲奈!! 「っ!」 ハッとして気がつくと、セイシルが私の目の前で手を振っていた。 思いのほか長い間ボーっとしてたらしい。 「ボクをおいて考え事なんてなにサ!」 よし、この際だからいじってやろう。 「死に神の血を使ったドリンクは美味しいかな~~と考えていたのよ」 眉をつり上げて見据えるとセイシルはひぎゃっと声を上げた。 「ボッボクおいしい違うよ!」 「きっと美味しいわ」 「玲奈だって美味しそうじゃん、早く本名教えてよ」 「嫌。本名言ったら魂とられるじゃない」 「やだたーべーたーいー」 「ダーメ」 「たべたいのー」 「駄目」 「ケチ」 (知ったところで覚えられないでしょうに…) 私は小さくため息をついた。
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