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「で、どーする?今回は俺様に嘘吐いてた罰として坊主にすっか?」
「えー?悪気があった訳じゃなくて教師生命をかけた正当防衛ですよぉ?ホント君達姉弟、僕の扱い酷い」
という冗談半分な幼馴染み二人の会話を耳に入れながら、俺も練習を再開する。
俺は未だにパーマの練習をしている訳だけど…
自分で言うのもなんだけど、相当手際良く綺麗に巻ける様になったと思う。
ちょっと前にロッドを使わないピンカールのやり方も、ヒロさんから教えてもらって出来る様になったし。
そんな俺に練習後ヒロさんが「明日からブローの練習しようか」と言ってくれた。
やっとパーマ卒業か…!
漸く次のステップに行ける!
「外村はやっぱり何やっても器用だねー」
奈緒さんにカットしてもらいながら、鏡越しに此方の様子を見ていたらしいグレンジャー先生がにこやかにそう言った。
「いえ、そんな事は…パーマ練習大分時間掛かりましたし…」
「そう?でも始めたの今年の4月からでしょ?」
「ヒロちゃんの合格ラインが厳しいんだよ。カズくん実際かなり器用だと思う」
「だよねー、これなんか超綺麗に巻けてるじゃん?国試でパーマ出たらバッチリだよ」
「指導者がいいからな。…な~んて、実際カズ本当器用だと思うよ。流石に覚えは滅茶苦茶早いし。ピンカールなんか「ちょっと難しいかもなー…」と思ったら易々と出来ちゃったし。パーマある程度出来る様になってからカーラーも教えたら、直ぐ要領得て出来る様になったしな~」
「やっぱり外村凄いね。君出来ない事無いでしょ?」
「いえ、そんな…そんな事は…」
止めて下さい、そんなに皆さんから褒められると…
非常に嬉しいです!
純粋に褒められて嫌な気がする人間はまず居ないだろう。
兎も角練習も、明日から新しい事が出来るんだ!
俺が練習道具の片付けを終えた頃、グレンジャー先生のカットも終わった様で、残っていたみんなで一緒に店を出て来た。
これから飲みに行くお姉さん方に
「カズくんも一緒に行かない?」
と言われたが、遅い時間で急過ぎて、確実に千が夕飯を用意してそうだった為辞退しておいた。
そして少し足早に帰ってみれば案の定、いつもの様に千が夕飯を用意してくれてある。
その夕飯の席で
「今日いい事あった?」
と千に聞かれた俺は、本当に顔に出る人間だ。
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