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昨日の千の夢物語を真に受けてる訳じゃないけど、今日はなんだかいつもよりやる気が出る。
俺の困った所は、それが態度に出てしまうという事だろう。
「今日随分張り切ってたな?」
と、営業後の練習前にとった休憩中に、ヒロさんから言われてしまった。
「え?そう見えましたか?」
「見えた見えた。なんかいい事あった?」
「いえ、そういう訳じゃないんですが…いつも以上に仕事頑張ろうと思って」
「おお、それはいい事だ」
帰宅前に同じく休憩室で一服していた先生も会話に混ざり、なんとも愉快そうに笑った。
この性格はどうにかしなきゃいけないな…って、指摘される度に思うけど、普段意識してなくて出てしまうものだから、どうしたらいいのやら…
まぁ、プラスに転ぶ事なら問題無いんだけどな。
束の間の休憩の後、いつも通り俺は練習の準備を始める。
まだ店に残る俺やヒロさんと一緒に一服している、先生、奈緒さん、みなとさんは、いつもならこの辺りで帰る筈なんだけど…
今日は何故か帰らず、みんなフロアに出て来て先生は雑誌読んでるし、みなとさんと奈緒さんは客用のカット台に座って雑談してるし…
…あれ?今日何か有るのか?
終わったらみんなで飲みに行く予定になってるとか…
でも、宏子さんとユウさんは普通に帰ったな?
なんだかよく分からないまま、取り敢えず俺はいつも通り練習を開始。
そこから約10分後
閉店の為締められていたブラインドを退かして、若い男性が一人店内へ入って来た。
…あっ!?
「こんばんはー」
「来た!ライトくん!」
「ああ、いらっしゃい」
「ワァオ、皆さんお揃いで…」
「グレンジャー先生!」
ちょっとビックリして、練習中だというのに俺も来客者へ声を掛けてしまった。
黒髪碧眼の来客者が気付いて此方へ視線を向ける。
彼は俺を見て一瞬で何故か嫌そうな顔をした。
「ぅわー…ヤバッ…」
「グレンジャー先生?何か…」
「ぉわぁっとっ!その呼び方はよく無いよ!」
「え?」
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