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「おい?似非外人?カズくんと知り合いってどーいう事だ?貴様の職場東応か?ちょっと詳しく」
いつの間にやら先生に近寄って行っていた奈緒さんが、慌てるグレンジャー先生に詰め寄り彼の服の胸倉を掴む。
「レディーが暴力は良くないなぁっ?僕の職場は東応なんて大層な学校じゃないデスヨ」
「じゃあ何で知り合いだ?コラ」
「グレンジャー先生は成賢の先生ですよ」
「は!?」
「今2年生の担任ですよね?生徒会の顧問もされてるので、生徒会交流で面識があって…」
「何だとっ!?成賢で生徒会っ!?テメーどこが「公立高校の現国教師」だふざけんな死ねっ」
「おぶっギブギブッソーリー許してナオ様っ」
掴んでいた胸倉を離したかと思ったら、間髪入れずに首を締め上げる。
ここは奈緒さんのKO勝ちだった様だ。
「あぁ…せっかく黙ってたのに…」
奈緒さんの手から逃れたグレンジャー先生が、首をさすりながら溜め息を吐く。
「あ…内緒だったんですね?すみません…」
「カズくんが謝る事無いから。嘘吐いてたコイツが悪い!」
「だぁって、成賢なんて王道な男子校、腐女子の餌にしかならないでしょ?「幼馴染み」だとか言って学校に押し掛けられても困るしー…」
「えっ!?幼馴染み!?奈緒さんとグレンジャー先生がですかっ!?」
「うん?一応ね。小学生ん時に、イギリスから私の実家の近所に引っ越して来たんだよ。
だから日本暮らしの方が長い似非外人」
「へぇ…!」
なんとまぁ、世間は狭い。
別々の所で知り合った知人二人が、こんな繋がりがあったなんて…
しかし最近成賢の人によく会うな。
グレンジャー先生は今日奈緒さんに髪をカットしてもらいに来た様だ。
この先生の特技に、“プロの様に鮮やかなマジック”が有る。
彼は年に2回うちの店に来る度にそれをやってくれるらしくて、先生とみなとさんはそれを見たくて、今日営業後に残っていたらしい。
手ぶらだった筈のグレンジャー先生が、どこからともなく土産の菓子折りを出現させるという、なんとも魔法の様な手品を見させていただいて、少しグレンジャー先生と雑談してから、うちの先生は帰って行った。
みなとさんはカットと俺の練習が終わったら、山田夫婦とグレンジャー先生と一緒に飲みに行くみたいだ。
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