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乱れる呼吸、頬を汗がつたい、顔には疲労の色が見て伺える。
姿の主は太一。
試合は昶の優勢。
昶の呼吸は普段と変わらない程に落ち着いていた。
「もう終わりですか、先輩?」
昶の見え透いた挑発に簡単に乗るほど太一は焦っていた。
残り時間もわずか。
焦りを隠せない太一は考え無しに竹刀を振りかざし、昶目掛けて突進して行く。
残り時間十秒の所で昶が一気に間合いを詰める。
太一の竹刀を薙ぎ払うとそのままカウンターを頭部に決めた。
「一本、そこまで!」
沸き返る会場。
互いに礼を交わし、試合が終えた。
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