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悲鳴はビルの間の路地裏から聞こえた。
路地裏は太陽の日差しが届かず、唯ならぬ恐怖を感じさせる暗闇になっている。
踏み出す一歩。
恐怖、それが昶の足取りを一層重くしている。
ビルの間を抜けると車一台通れる位の細道が左右に分かれていた。
悲鳴が聞こえたのは左の道。
忍び足でその道を進む昶。
「...何だよ、あれ」
昶の視界に飛び込んで来た光景。
黒いローブを纏った人影、その足元に横たわる昶と同じ学校の女子生徒。
地面には大量の血液が流れ、その周囲を赤く染めていた。
ローブの者が右手を水平にかざす、手には銀のナイフが握られている。
次の瞬間、黒い光が女子生徒を包み込み、その体内から眩い輝きを放つ物体が姿を現した。
物体は銀のナイフに吸い込まれる様に同化し、黒い光が消えるとそこには女子生徒の姿が無くなっていた。
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