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地面に残る血痕。
息を殺し、物陰からその様子を見つめる昶の表情は困惑していた。
「見つかったらヤバイ...離れてから警察に」
本能的に場の危険性を感じ取り、ゆっくりと来た道を引き返す。
携帯の着信音。
慌てて自分のポケットに手を入れ、着信音を止める昶。
「おやおや、こんな時間に何をしてるのかな?」
後方から聞こえる男の声。
昶はゆっくりと視線を後ろに向け、声の主を確認した。
顔は暗くてハッキリしない。
口元に笑みを浮かべているのが微かに見える。
持ちうる全ての力を足に込め、昶は男を背に走り出す。
だが、昶の二メートル程先にローブの男が姿を現し、ナイフを構え突っ込んでくる。
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