"日常"

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薄暗い部屋。 カーテンの隙間から日差しが差し込み部屋の中を少しだけ明るくしている。 窓は閉まっているが鳥の鳴き声が室内にまで届き、人の話し声も微かに聞こえる。 部屋にある目覚まし時計は午前七時を指している。 そしてベットには黒髪の青年が横になり、静かな寝息をたてて眠っている。 年は十五、六だろうか、まだ幼さを残した顔立ちをしている。 横向きで寝ていた体勢を仰向きへと変え、ゆっくりと重い瞼を開いて行く。 「...夢か」 周りに聞こえるかどうか分からない程の小声で呟き、体の重心を右に傾けゆっくりと状態を起こす。 まだ脳が眠っているのだろう、しばらく動く素振りさえ見せず、ベットに座ったまま動きを固めている。 部屋の外、階段を登る足音が聞こえる。 青年が寝ている部屋の扉がゆっくりと開き、部屋の中を一つの人影が通過する。 人影は窓の側で歩みを止め閉ざされているカーテンに手を掛ける。 「いつまで寝てるの、朝だよ!お兄ちゃん」
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