"異界"

9/16
前へ
/34ページ
次へ
奴隷の男達の幼稚な嫌がらせはどんどんエスカレートしている。 その様子を周りの者達は見て見ぬ振り。 と言うより関わるのを赤ら様に避けている。 「駄目だよ、昶。アクセルに関わって無事な奴はいない」 男達の元に向かおうとする昶をノイズが制止する。 ノイズの判断は正しい。 今までもアクセルに逆らった者は多くいたが、無事に済んだ者は一人もいない。 だが、昶はノイズの制止を振り切り、一人で男達に近づいて行く。 「やめなよ、みっともない」 ネックレスを受け取った一人の男の腕を掴み、昶はネックレスを奪い返した。 そのネックレスを持ち主に返すと、青年は礼をいい足早にその場を去って行く。 男達の対象が昶に移る。 昶を五人の男達が取り囲み、分かりやすい程に敵意を剥き出しにさしていた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加