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昶を男が取り囲む更に周りでは、奴隷達が声を潜め、何やら話し合いをしていた。
その中には自分の心と葛藤し、苦悩の表情を見せるノイズの姿もあった。
「新入り君はここのルール知らないみたいだね。分からせてあげるよ」
不気味に笑う男達。
歳も体格的にも然程変わらない相手に、昶は少しも動じていなかった。
状況が展開を見せる。
男達が動き出し、昶目掛けて拳を振りかざす。
ただの喧嘩なら慣れている昶は、男達の攻撃を軽々交わし、五人相手に反撃すらしていた。
「へぇー、戦い慣れてるね君。でも素人丸出し」
男達の内一人が言葉を発する。
他の四人は攻撃を続け、昶は少し距離を置いた先程の男を警戒していた。
すると先程の男が右耳に付けているピアス、そこに埋め込まれた淡い緑色の石が少しだけ輝く。
「駄目だ!昶、逃げろ!!」
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