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声を上げる黒髪の少女。
まだ幼さを残す顔立ち、髪は肩まで掛かり、身なりは何処かの学校の制服を纏っている。
少女は部屋の閉ざされたカーテンを勢い良く開け、朝の日差しが部屋中を照らして行く。
部屋は至ってシンプル。
二箇所ある窓の片方にベットが寄せられ、後はクローゼット、二つの大きな本棚があるだけだ。
本棚にはギッシリと本が詰められ、ジャンルは様々だ。
朝の日差しに目を細める青年。
「友紀(ゆき)、おはよう。」
挨拶を交わすとベットから降り、そのまま階段を下って一階に降りて行く。
リビングを抜け洗面台で顔を洗っている。
彼は千歳 昶(ちとせ あきら)。
現在十六歳、聖秋(せいしゅう)学園に通う高校一年生だ。
濡れた顔を白いタオルで拭き、リビングに歩みを戻す。
掃除の行き届いた綺麗な室内。
テーブルの上には朝ご飯が用意され、椅子には先程の少女が座って昶を待っている。
彼女は千歳 友紀(ちとせ ゆき)。
昶の二個下の妹で明るく社交的な性格、家の家事を全てこなせる程家庭的なしっかり者だ。
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