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日は暮れ、辺りは薄暗く、街中には街灯の明かりが灯されている。
街中にはまだ多くの若者達の姿が見受けられ、夜ならではの活気を保っている。
街中から少し離れた昶の家。
二階のベランダから顔を覗かせる昶の姿があった。
ぼーっと星の出ている空を眺め、何か考え事をしている様に感じる。
妹の友紀は既に床に就き、家の電気はすべて消えている。
時刻は十時少し前。
「通り魔事件か...早く捕まればいいけど」
夕方に起きた通り魔事件。
昶の心の中で引っかかる事はこの事の様だ。
昶が何より心配なのは自分の妹、友紀の存在だろう。
今日被害にあったのは昶と同じ学校に通う同級生。
昶と面識は無いものの同級生となるとさすがに身近な事として感じざるを得ない。
ベランダから部屋の中に戻るとベットの上に突っ伏し、まだ何か考えている様だ。
そのまま瞼を閉じ、静かな寝息を立て眠りに着いた。
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