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哀は白桜の背後に回り込むと、後頭部を容赦無く叩いた。
「止めんか。嘘泣きが俺らに通じるわけないだろ。つーかキモいし」
哀は、泣き真似をしている白に向かって毒づく。
「キモい!?今キモいって言った?」
白桜はピタッと泣くのをやめ、哀と青葉の方に眼をやった。
案の定涙は一ミリも出ておらず、眼も腫れていない。
「ちょっと今の聞いた、青葉?哀が僕にキモいって言ったぁ」
流石の白桜も、哀のストレートな毒にダメージを受けたのか、今度は本物の涙を浮かべ、青葉の側に寄った。
青葉は優しく白桜の頭を撫でながら、キッと哀を睨みつける。
「哀君、私もキモいは流石に酷いと思います。」
「そうだ、そうだっ。もっと言ってやれ、青葉!」
白桜は強い見方が着いたと喜びを隠せない。青葉の背に隠れながら、哀に野次を飛ばした。
青葉に庇って貰い、いい気味と思ったが…。
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