28人が本棚に入れています
本棚に追加
「会わなければいけない人がいるの」
男の言う通り、〈翡翠の巫女〉であるナスターシアには未来予知の力がある。
その特殊な力故、サウレ・マーラ教団はナスターシアを軟禁に近い形で厳重に保護し、教団の権威を高める道具として使ってきた。
〈祈りの塔〉に住む時を知る巫女の話は、今やパン屋の子供でも知ってる。
だがそんなナスターシアが、〈塔〉の監視をかいくぐり、外の世界へと逃げてきたのには理由がある。
「誰に」
「我らが王――アウセクリス帝国のゼイン国王に」
最初のコメントを投稿しよう!