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あ、ほら。
こんな惨めな私に、天気は味方してくれるみたい。
曇り空だった空からポツポツと水滴が降ってくる。
夕立だ。
雨宿りする気にもなれず、空を見上げて雨を自ら浴びた。
あの交差点を曲がれば私の住むマンションが視界に入る。
築5年のまだ新しいマンションだ。
東京に越してきたのも、父の仕事が原因で、以前は群馬県に住んでいた。
緑が豊かで水資源が豊富なあの県も気に入っていたのだが。
東京もなかなか悪くない。
交差点を曲がると、小さな八百屋が目に入った。
帰り道、よく話してくれるおばちゃんも、先週から旅行で店が閉まっている。
その前に一人、八百屋のテントに雨宿りしている学生がいた。
私の学校の制服を着ている。
もう十分濡れていると思うのに、制服の雨を払い落としている。
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