加速

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ふと、彼女が振り返り、目が合った。彼女の表情が何?と尋ねる。 「あ…お前、プレステ2持ってんだな」 とっさに誤魔化す。 「あ、それ?今年卒業した先輩に譲ってもらったんだ。CDも聴けて、DVDも見れて、ゲームもできるよって」 でも、実際使ったことはないんだけどね。 彼女の声が遠くから聞こえる。 上手く誤魔化せてよかった…。 「…お前使ったことねぇの?もったいね。ゲームでよかったら貸してやるよ」 お前がやるとも思えないけど。 そうからかうと、意外にも彼女は食い付いてきた。 「え?貸してくれるの?やったー、ありがと」 ゲームすんの?そう目で問うと、 「教えてくれるんなら、やってみたいな」 呑気にそんなことを言ってる。
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