序章、新たな始まり

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俺達Aクラスの代表はルキウス・ハルトマンという大男だ。同じ寮に住んでいて、背は俺よりも10センチ程高い。肩幅もあり、見た目はかなり強そうな男だ。実際、クラス内対抗戦で決勝まで駒を進めた。残念ながらレンに決勝で敗れたが、それでもクラスの中ではかなり腕の立つ方だろう。武芸科1年の中でも結構上の実力だと俺は思っている。 教室に入ると、窓際の席に座るまっ白い髪が特徴的なクラスメイトの少女、セツナを発見した。 セツナは自分の席から微動だにせずに窓から外を眺めていた。 俺とレンがセツナに近付き、 「「おはよう」」 挨拶すると、彼女はこちらに振り向いた。 「おはようございます」 それだけ言うと、セツナはまた窓の外へと視線を戻した。素っ気ないが、まあもう慣れている。セツナはそういうやつなんだと俺もレンも理解しているのだ。 「一般教養は課題が多いから面倒だよ」 カバンからノートや筆記具を取り出しながらレンがぼやいた。 確かに、専門科目よりも一般教養の方が課題や提出類は多い。場合によっては一般教養より専門科目の方がそういったものが多いらしい。医療科とか魔導工学科とかは頭を使う分野だし、課題とかも多いのだろう。
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