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まあ、といっても見た目は女性用も男性用とほとんど変わらない。
「更衣室はそこの扉から行けるよ」
「オッケー行ってくる」
俺がそう言って更衣室へ行こうとしていたら、
「ぁ……」
レンが小さく何かを漏らした。
「どうしたんだレン?」
「い、いや、何でもない……」
「そうか。それじゃ更衣室行こうぜ」
「あ、う、うん……」
「?」
俺は様子のおかしいレンに首をかしげながらも、更衣室に入った。
中は簡素なもので、ロッカーがいくつかあるだけだった。室内は狭く、あまりたくさんの人数は入れそうにない。
先生が闘技場は更衣室使えないと言っていたのは狭いからだったのだろうか。まあ確かにこの広さじゃ1クラスは収まりそうにないな。それに、クラス内対抗戦の時と控え室が違う。あの時は更衣室は存在していなかった。どうでもいいが。
「よ……っと」
「……っ」
「レン?」
俺が服を脱いで上半身を晒すと、レンが何故か驚いたように目を伏せた。ほのかに顔も赤い。
「大丈夫か? なんか、顔赤いけど……」
俺が脱いだ服を手に持ったままレンに近寄ると、
「や、やめ……、わっ」
「レン!」
後ろにこけそうになったレンを支える。すると、何故かレンは涙目で俺を見てきた。
吐息を感じるくらいの距離でレンの顔を眺める。やはりすごい綺麗な顔だ。まるで女の子のような――。
ややあってから、
「ご、ごめん……ボク……」
俺から離れ、レンは謝ってから椅子に腰かけた。
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