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「イルマ」
名を呼ばれて振り向くと、長身のギルバートが立っていた。もう試合用の戦闘衣に着替え準備万端のようだ。
「なに?」
「本当にいいのか」
「……」
いいのか、だって?
ギルは一体何を言いたいんだろうか。
「お前、昔はミラと仲良かっただろ」
「過去の話でしょ。今の私には関係ない」
「でもよ、あのチームはお前の兄貴の……」
「いいっていってんの! あんなチームがあったからお兄ちゃんは一生歩けない身体になったんだから! なくなってしまえばいいのよあんなチーム!」
「……悪かった」
「ふん」
もう昔のようにはいかない。わかってる。エスぺランザの解散申請を学院に出したのも後悔はしていない。最終的に決定を下したのは学院側だけど、その引き金を引いたのは私だ。
わかってる。全て理解した上で私は行動している。
潰す。お兄ちゃんを苦しめる存在全てをぶっ潰す。
お兄ちゃんをあんな目にあわせたエスぺランザとミラ・ヒルベルトをこの手で。
その為なら手段は選ばない。外道なことも平然とやってやる。
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