第二章、vsチームネメシス

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視線を眼下のフィールドに戻す。見たところ依然として戦局に動きはない。モニターに映し出されているポイントも変化なし。 「兄さん、頑張って……」 ―――――――●――――――― ここまでは俺の想定通りに事が進んでいる。 負けるわけにはいかないこのネメシスとの一戦。慎重に行かないとな。 「ミラ達からの通信もないし、このまま順調に行ってくれればいいんだが」 俺は片膝をつき、右耳に装着しているインカムに手を添えた。 このインカムはいわゆる通信機だ。これのおかげでこの広いフィールドの中でも連絡を取り合う事が出来る。 前衛の2人には、敵と接触したらインカムで連絡を入れるように言ってある。まだ何も連絡がないということは敵とは接触していないということだろう。 「ロア」 「どうしたシエル?」 「少し様子を見てきてもいい?」 「ああ。だけど、すぐ戻って来てくれよ。俺1人じゃ正直不安だからな」 「ええ。わかってるわ」 そう言うと、シエルは木々の生い茂る中へと入って行った。
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