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「――ミラさん」
シエルはインカムに手を当て……どうやらミラと連絡を取り合っているみたいだ。
「こちらは異常なしです。そちらは大丈夫ですか? ……はい。あ、全然いけます! ……あ、はい! 任せてください!」
通話が終わったのか、インカムから手を離したシエルがこちらにやって来た。
「あっちも異常なし。ミラさんとレンはステージ中央の開けたエリアの前に陣取ってるらしいけど、向こう側から敵が来る気配はないって。もしかしたら迂回してくる相手に気付けないかもしれないから、そっちも警戒を怠るなだってさ」
「了解だ。こっちはこっちで、今はやれることをやろう」
「ええ」
―――――――●―――――――
【ミラSIDE】
「敵、きませんなー」
私は木の陰に隠れながら敵側の様子を窺う。
後ろにはしゃがんだ状態のレン。息をひそめて常時臨戦態勢だ。
「予想では敵のペアが見え隠れしている頃なんだけどなぁ」
「確かに、少し行動が遅いね。ボクらは4人しかいないし、強気で攻めてきてもおかしくはないんだけど」
レンは難しい顔でなにやら考え中だ。
私は策とかそういうのは苦手だから、ここは他のみんなに任せよう。私は戦闘で活躍すればいい。
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