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もしかしたら案外近くまでスナイパーが来ている……?
なんて考えながら走っていると――
「――今度はファイアボール!? どこから!?」
「ミラ! あっちだ!」
「了解!」
レンに言われた方角に接近し、生い茂った一角に双刃剣型魔装具で一薙ぎした。
しかし、そこに敵はいない。
一体どこから……?
「もらったぁああああああああああ!!」
「そんな! 上から!?」
見上げると、木の上に潜んでいたのであろう敵が手甲型魔装具で攻撃を仕掛けてきた。
間一髪でその奇襲を避け、一気に敵との距離を詰める。
「木の上に潜んでいたなんて驚いたよ! でももうその手は通じない!」
「くっ!?」
センサーに攻撃を貰わないように気をつけながら肉薄、連撃をお見舞いする。もちろんこちらの目的も相手のセンサーだ。4つ全て奪ってしまえば戦闘不能だから、一対一の今が千載一遇のチャンス!
「――こちらミラ! 敵と遭遇! 相手は1人だからここで仕留める!!」
インカムで後衛の2人に連絡し、戦闘を続ける。
何故1人でこんなとこまで攻めてきたのかは知らないが、好機に違いはない。ここで敵の戦力を削っておけば後々戦い易くなる。
「って、ちょ!? 逃げるなー!」
敵は向かってくるかと思いきや、少し交戦した後、脱兎のごとく逃げていった。
でも、そこまでスピードは無い。私の足ならすぐに追いつけるはずだ。
「――敵追いかけるから! 切るよ!」
戦いに集中するため、一度通信を切る。
「待てー!」
無我夢中で、私は敵を追っていった。
―――――――●―――――――
「――ミラ? おい! ミラ! ――くそ、あいつ通信切りやがった。まさか1人で追っていったんじゃないだろうな……」
正直、嫌な予感しかしない。
レンも誰かと交戦中みたいだし、連絡を取ることが出来ない。
俺が張った結界にはまだ反応がないから、こちらに攻め込まれているわけではないのだが……。
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