プロローグ

10/18
前へ
/429ページ
次へ
「ギ…ガ…?」 急に古代竜の動きが鈍くなった。 もともと鈍重(どんじゅう)な動きではあったが、今は明らかにぎこちない。 リーンが目を凝(こ)らして見ると、小さな氷の矢が当たった傷口から湯気が立っている… (いや、湯気じゃない…あれは冷気だ!) 見た目こそ変化は無いが、先程の凍水系魔法は古代竜の内側から肉、骨、血をゆっくりと凍らせていったのだ! 「ギガ…ガガ…ァ」 古代竜の動きが完全に停止すると、男は硬直した尾を一気に駆け上がる… そして頭頂部まで登りきると右手の斧で後頭部を斬りつけた! 「ギガアアァ!?!?!」 月光に反射された斧撃の一閃が過ぎると、断末魔の叫びを挙げて前に倒れる古代竜ーー ズンンンンンー!!!!! 大きな地鳴りが響き渡り、辺りに再びの静寂(せいじゃく)が訪れた。
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14668人が本棚に入れています
本棚に追加