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「ギ…ガ…?」
急に古代竜の動きが鈍くなった。
もともと鈍重(どんじゅう)な動きではあったが、今は明らかにぎこちない。
リーンが目を凝(こ)らして見ると、小さな氷の矢が当たった傷口から湯気が立っている…
(いや、湯気じゃない…あれは冷気だ!)
見た目こそ変化は無いが、先程の凍水系魔法は古代竜の内側から肉、骨、血をゆっくりと凍らせていったのだ!
「ギガ…ガガ…ァ」
古代竜の動きが完全に停止すると、男は硬直した尾を一気に駆け上がる…
そして頭頂部まで登りきると右手の斧で後頭部を斬りつけた!
「ギガアアァ!?!?!」
月光に反射された斧撃の一閃が過ぎると、断末魔の叫びを挙げて前に倒れる古代竜ーー
ズンンンンンー!!!!!
大きな地鳴りが響き渡り、辺りに再びの静寂(せいじゃく)が訪れた。
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