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「ハンターになりたいぃ!?」
夕飯の席でリーンが唐突に告げると、あまりに突然の告白に母は動揺を隠せない。
先ほどの事を事細かに説明していく内に、様々な感情が蘇ってきたのだ
魔獣に襲われた恐怖…
その魔獣と戦う勇姿…
何よりも丁寧で礼儀正しく、強かったあのハンターへの憧れ。
全てを語り終わる頃にはリーン意思は固まり、最初は反対していた母だったが、自分の子供が初めてこんな真剣な眼差しをしているのを見てやがて首を縦に振った。
「わかったよ。それなら来年17歳の誕生日までに100C(コイン)稼ぐことが出来たら認める。ただし、家の手伝いもきちんと続けること!」
100Cはこの村の平均年収の半分よりやや多い程。
16歳の少年が稼ぐには大変な金額だ。
「うん。頑張って稼ぐよ!ありがとう、母さん」
ーーそれからのリーンは家の手伝いを続けながら他の家の畑も手伝い、夜は酒場でウエイターを勤めた。
自分から話すのが少し苦手だったリーンだが、情報収集や仲間との連携が重要なハンターにとってそれは致命的と感じた母は、色々な仕事を通してリーンが克服できる様にと考えての事。
そこには母親の愛情があった。
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